様々なカレーの香り
ある目的地へ行く途中、カレー屋を通過する。
本格的なカレーが売りなのだろうが、
お店から放出される香りが…オッサンの香りでしかない。
けれども、お店は賑わっているのだ。
きっとスパイスの香りのいくつかが…
自分にとって苦手なものがあっただけだろう。
本格的なカレーは大好きだが…この香りは、どうも食欲をそそらない。
複雑な気持ちを抱いて、いつもそのお店を通過するのだった。
こんな話で思い出すのは申し訳ないのだが、
以前住んでいたエリアに美味しいカレー屋があった。
ちょっと職人気質な大将と愛想のいい接客担当のおばさま。
自分は当時、大将の作るカレーの虜になっていた。
ある日、ポイントカード的なものを持参した時だった。
既にポイントは貯め終えていて、
そのカードの特典は使えないだろうとは思っていたけど、
おばさまに確認をしてみた。
おばさまは少々困惑していたが、大将に確認をしてくれた。
大将は「あの子だったらいいよ」的なことを厨房で言ってくれたのが、
たまたま自分にも聞こえてきた。
特典よりも大将のその一言がとても嬉しかったのを、今でも覚えている。
今はなかなか行けないお店になってしまったが…
大将とおばさま、元気にしてるかな?
あのお店からは、今でも素敵な香りがしていることだろう。